水彩画を楽しむヒント
楽しく上達するための さまざまな方法やヒントをお届けします。
たとえば、絵のアイディアが湧かないときに試してほしい工夫や、
その時の気持ちの持ち方についてのアドバイス。
また、描く気持ちをもっと高めるためにおすすめの方法や、
透明水彩ならではの魅力を引き出すポイントも度々ご紹介します。
あなたが水彩画を描くひと時をより楽しみ、心を弾ませる
きっかけになれば嬉しいです。
短期間での上達は「和菓子」がおすすめ
水彩が一気に上達するには?
水彩を短期間で上達させるには、「小さくて単純な物」を描く
ことをおすすめします。
そ理由は、まず短時間で完成できること、そして小さな物でも、
使用する技法は大きな物とほぼ変わらないからです。
特に和菓子はそれぞれ色彩や質感が異なり、時間も短時間で描けるのでおすすめです。色の変化のあるもの、艶のあるもの、透明なもの
など、小さい中にレッスン要素が詰まっているので、短期間での上達が望めます。
その他の勧めのモチーフを挙げてみましたので
参考にしてください。⇩ 2025,12/9
水彩の手順とは?
「どこから塗り始めたらいいのですか?」
教室やお問い合わせで、よくいただくご質問です。
結論からお伝えすると、どこから塗り始めても大丈夫です。
塗り始めた箇所で作品の良し悪しが決まるわけではありません。
では、なぜこの質問が多いのでしょうか?
おそらく、「最初はどうしていいか分からない」
「手順通りに進めないと失敗するのでは?」
という不安からでしょう。
でも、水彩画において手順にあまり神経質になる必要はありません。
仮に順序が前後しても、水彩特有の透明感や曖昧さが自然とカバーしてくれます。
つまり、どの手順を選んでも、仕上がりに大きな差はないのです。
好きな手順から始める
もし迷うなら、まずは「自分が好きな部分」から塗り始めてみて
ください。好きなところから始めると気分が乗りやすく、作業も
スムーズに進むものです。
逆に「どこを塗ればいいか全然分からない」という場合は、
シンプルで面積の狭い部分から始めるのがおすすめです。
例えば、単な箇所ぼかしや滲みを必要としない所が良いでしょう。小さく単純な部分は失敗が少なく、初心者にも安心です。
手順は人それぞれ
ちなみに僕自身は、主役となる部分から塗り始めることが多いです。
主役を先に描くことで、全体の完成形をイメージしやすくなるから
です。一方で、他の水彩作家の手順を見てみると、本当に千差万別。
例えば、ある画家は遠くの風景から順に塗り、近景を最後に仕上げる方法を取ります。
別の画家は、最初に紙全体を濡らし、自由に滲みを作った後でモチーフを描き足します。
また、影から描き始め、固有色を後から塗るという方法も一般的です。
このように、水彩画の手順は描き手の考え方や表現方法に応じて自然に形作られていきます。
ぜひ、いろいろな手順を試しながら、自分に合ったやり方を見つけてみてください。
それこそが、水彩の自由で楽しいところなのです!
2025,1/7
アートの感性とは?
僭越ながらアートを生み出すセンスについて述べたいと思います。
絵を描くセンス・芸術的なセンスとは特別な人に備わっている訳では
ないと思います。それはさまざまな見分や知識を得ることで徐々に
養われていく、後天的な要素が強いものです。
人の体に取り込まれた栄養が身となり血となるように、良い栄養を
蓄えていけばそれだけ丈夫で優秀な身体になっていく。
良い情報や自分に合った知識を得ることで、エネルギーが効率的に
蓄積されて行きます。
知識を得る一番の方法はさまざまな作品を観ることです。
新しい作品を考えている時に、絵のアイディアが全然浮かばないことってありませんか? そんな時はあらゆる作品やデザインを
手当たり次第見ると、何かしらのヒントをつかむことができます。最初は自分の思考が漠然としていても、次第に感覚や好みが
絞られて行き、最後には「これだ!」という作品に巡り合うことが出来ます。自分が気に入った作品は色彩や表現方法、その作家
の考え方まで学びたくなるので、自分の趣向はよりはっきりとして行きます。
また、観る作品が多ければ多いほど、自分の感性と合致する機会が増えて行くことになります。
「この作品が大好き!」「このイラストは色彩がとても美しい」「この描き方は見たことがない、面白い」など、常に自分の
感情を動かすことが、やがては自分の感性を育むことになります。
今はインターネットで簡単に作品を観ることができますが、時間があれば美術館やギャラリーで生の作品を鑑賞して
いただきたいです。わざわざその会場へ出かける意義は、お目当ての作品だけでなく、そこまでの道のりや
展覧会場の雰囲気などと相まって、より深く強い記憶として残るという利点があります。
現代は多様性の時代であり、スキルよいもセンスが求められることが多くなっているように思えます。確実なスキルを
習得することも大切ですが、幅広い見分を持ち、そこから的確なセンスを選択し活用することが必要だと思います。
絵を描くセンスや芸術的な感性はそうした地道な行動により育まれるものだと思います。
2025,12/7
絵の制作は「ちらし寿司」を参考に・・
画面構成は、「ちらし寿司」に大きなヒントが
ちらし寿司は見た目がとても華やかで、食べても実に美味しい
料理です。具材の色味や形に配慮しながら、バランス良く盛り付け
られている様子は実に 絵画的(構成的)ですよね。
この板前さんの素晴らしいスキル、私達も是非参考にしたい
ところです。各々の海鮮の具の色や模様を巧みに利用して、
見事な構成で、私達の目を楽しませてくれる訳ですが、
ちょうど絵画の構成や構図作りに通じるものがあります。
絵も写実や模倣に終始するのではなく、色彩や濃淡のバランスを
意識して、構成する気持ちで制作しすると、楽しさが
爆増すると思います。
「なかなか始められない」そんな時は?
水彩画を描く気がしない、そんな時は?
「作業興奮」という言葉をご存じでしょうか。簡単に言うと、やる気が出ない作業でも、とりあえずやり始めると、いつの間にかやる気が湧いてきて、作業がどんどん進む現象のことを言います。
この現象の裏側には、脳の中にある「側坐核(そくざかく)」という部位が大きく関わっています。この側坐核が刺激を受けると、
「ドーパミン」という物質が分泌されるんです。このドーパミン、別名「やる気のスイッチ」。達成感や快感を与えてくれて、「もうちょっと頑張ろうかな」と思わせてくれる、頼もしい存在なんです。
水彩画をスムーズに描き始めるには?
水彩画を描こうと思っても、なかなか始められないという時はありませんか? 忙しかったり、めんどうくさかったり、
「今じゃなくてもいいかな」なんて思ったりして、つい後回しにしてしまうこともありますよね。
でも、大丈夫! そんな時でも、作業興奮をうまく活用すれば、スムーズに筆を取り、楽しく絵を描き始めることが
できます。 ではその方法をご紹介します。
1、とりあえず筆を持つ
「ああ、やっぱりそうなのか~、黙って始めろということね、」っとガッカリした方もいるでしょう。
しかし机に向かって道具を並べるだけでも側坐核が刺激されますので、「よしやってみよう!」という方は
是非試してみてください。
2、小さな目標を立てる
「完成させるぞ!」「いい作品を描こう」と気負わずに「今日は好きな色を数か所塗ってみるだけ」とか
「簡単なものを1個描くだけ」といった小さな目標を立ててみてください。始めやすくなるうえに、
気が付いたら夢中になっていることがあります。
3、お茶を飲む時と絵を描く時を一緒にする
お茶やコーヒーを飲む時って、「さあ飲むぞ!」という決心はいりませんよね。リラックスできる時間なので
喜んで行動に移せます。そこでおすすめなのが、お茶を飲む時に絵を描くことです。これを何回か繰り返すうち
に脳は「水彩画を描くことには、お茶を飲むような癒しがある」と錯覚するよになります。
因み僕は絵を描く時にはよくこの方法を使います。大抵の場合、スムーズに始めることが出来ています。
2025,12/5
僕のお気に入りの風景です。今まで、この風景
から数えきれないほどのインスピレーションを
貰いました。特にこの風景の持つ
シャレた雰囲気・神秘性・切なさ・
微かなさざめきと温もり・光の複雑さ
などなど、切りがないほどです。
アイディアは思いがけないところから
生まれることを教えてくれた風景です。
どんな時に絵のアイディアが浮かぶ?
新しい絵のアイディアを探しているのに、なかなか思い
つかない。そんな時ってありませんか?
実は、素敵なアイディアはふとした瞬間に生まれることが多い
んです。
たとえば、自分の中にあったちょっとした問題意識や興味が、目にした
風景や感じた感情と結びついた時など、意外なところからヒントがやってくることも。
ここでは、アイディアが浮かぶ瞬間をいくつかご紹介しますね。
好きな作家の作品や、心惹かれる表現方法をじっくり見ていると、「こんな風に描いてみたい!」という気持ちが湧いてくることがあります。
やみくもに観るのではなく、好きなジャンルや作家に絞ると、自分に
響くインスピレーションが得やすいです。
「ぼかしやにじみをもっと活かしたい」「透明感のあるグラデーションに挑戦したい」など、技法を起点にアイディアを広げるのもおすすめです。特に水彩画ならではの柔らかい表現は、それ自体がアイディアの種になることも。
「青とオレンジで爽やかさを出してみよう」「モノトーンで感情を表現
してみたい」など、色からテーマを考えるのも楽しいですよ。色彩には
不思議な力があり、見る人の心に直接語りかける効果があります。
例えば、朝日に輝く一輪の花、駅前の賑わい、雨の日の窓辺――。ふと心が動かされた瞬間こそ、絵の題材にぴったりです。スマホで写真を撮ったり、簡単なスケッチをしてみると、後から絵にしたいアイディアがどんどん膨らむかもしれません。
水彩画だけにとらわれず、映画、音楽、写真、詩など、他の芸術分野からもインスピレーションを得てみましょう。
「こんな雰囲気を絵にしてみたい!」と思う瞬間が見つかるかもしれません。
「日常のささやかな幸福」「大自然への感謝」「人々の優しさに触れる瞬間」など、自分が描きたいテーマを一つ決めてみる
のもおすすめです。テーマを絞ると、目指す方向性がぐっと明確になります。
それでも、どうしてもアイディアが浮かばない時ってありますよね。そんな時は焦らず、少しだけ「お休み時間」を作りましょう。
散歩をしたり、カフェでのんびり過ごしたり、普段と違う場所でリラックスすると、新しい視点が生まれることがあります。
自然の中に身を置くのも効果的です。
音楽を聴いたり、好きな本を読んだり、何か別の趣味に没頭してみましょう。思いがけない形でアイディアが舞い降りるかも
しれません。
頭で考えすぎず、とりあえず手を動かしてみるのも良い方法です。簡単な線や色を描くだけでも、自然とイメージが湧いてくる
ことがあります。
大切なのは、自分を責めずに「楽しむ心」を忘れないこと。アイディアが浮かばない時は、次に訪れるインスピレーションの
ための準備期間だと思って、ゆっくり構えてみてくださいね。 2025,12/3
ここが最大の分かれ道
「うまくなる為には技術を磨く」多くの方がそう
思っていると思います。
でもそれよりも大切なことは、
「水彩をどう扱うか」「水彩とどう向き合うか」
とういうメンタル的なことなんです。
テクニックも確かに大切ですが、それを最大限に生かす
ためにも、メンタリティーが鍵を握っている、と言っても
過言ではありません。
例えば技術を磨くために何枚も描いたら、順調に上達する
かと聞かれたら、答えは「上達はします、しかしその
速度はとてもゆっくりで、多くの失敗も覚悟しなくては
なりません。
それは何故でしょう? 水彩への向き合い方が
はっきりしていないからです。
では向き合い方とは一体どのような事なのでしょう。
それは「丁寧に、そして時には大胆に描く」という心構えで臨むことです。
僕は水彩画を丁寧に描く方が最も上達すると考えています。しかし丁寧なだけでは不十分かもしれません。
何故なら・・丁寧に描こうと、とても慎重になるからです。慎重なあまり、小筆でチョコチョコ描いたり、
筆さばきが小さくなり、余計な筆ムラを作ってしまうからです。
時には慎重さを打ち破るぐらいの大胆さが必要です。例えば大きな筆を使って一気に塗ってみたり、
思い切って重ね塗りの回数を減らしてみることが、美しい作品作りにつながって行きます。
言わばこの相反する2つの心構えを持ち合わせることが、上達の近道であり、
上達するか否かの分かれ道だと思います。 2025,11/28
お手本がないと描けない、そこから抜け出すには
水彩画を描くとき、多くの方が写真や講師の作品といった「お手本」を使います。
しかし、「お手本がないと描けない」「自信がない」という悩みを
持つ方も少なくありません。なぜ、そう感じるのでしょうか?
それは、お手本を見ながら描くことが習慣化しているからです。
この習慣自体は悪いことではありませんが、ときにはそこから離れてみることも大切です。
お手本を模倣して描くことには、限界があるからです。
例え上手く描けたとしても、それはあくまで模写や写実の範囲を超えません。
「模倣のどこが悪いにの?」と思う方もいるでしょう。模倣自体は決してが悪いわけではありませんが、
頼り切りになることに少し問題があると思います。お手本と同じように描くことが目的になるので
、制作中は絶えずお手本に縛られがちです。少しでも違うと「ああ、ダメだ」「お手本に全然近づけない」と
落ち込 み、最後には疲れ果ててしまいます。そんな状態を続けていたら楽しいどころか水彩画が嫌い
になってしまうかも知れません。
それよりも水彩画の魅力や楽しさに目を向けるべきです。
お手本を完全に手放すのではなく、時々参考にしながら、ある程度自由に描いてみることです。
お手本を見つつ、自分なりのアレンジや工夫を取り入れるのです。
「それが出来ないからお手本を見るんです」という声も聞こえてきそうですが、ではいつまでお手本を頼りに
して描くのでしょう。少しでも構わないので、思い切ってお手本から離れてみてください。
水彩画の楽しさはそこから始まっていくことでしょう。 2025,11/27
描きたい絵を言語化してみる
「こんな感じの絵を描きたい」と思ったら、
「こんな」の部分を言葉で表現してみると、
自分のイメージがより鮮明になり、
制作する上でとても役にたつことがあります。
※詳細をnoteでご紹介しています。
2025,11/24