道具について
水彩画をもっと楽しむための便利で使いやすい道具や
その選び方をご紹介しています。
それぞれの道具が持つ魅力や使い勝手を、具体的にわかりやすく解説。
例えば、「ボカシにぴったりの筆の選び方」や「細筆を状況に応じて上手に使い分けるコツ」、
「たった2色でおしゃれな色を作るアイデア」などをお伝えしています。
また、水彩紙についても、その特徴や使い方をレビュー形式でご紹介!
皆さんの創作がより楽しくなるお手伝いができたら嬉しいです。
写真出典=世界堂
日本画筆は洋筆(水彩筆)よりも重宝する
水彩画に欠かせない道具といえば筆ですが、日本画筆と洋筆のどちらが使いやすいか、悩む方も多いのではないでしょうか。今日は、日本画筆がなぜ水彩画でも重宝されるのか、その理由をお話しします。
◆日本画筆の方が洋筆よりも安価な場合が多い
洋筆にも日本画筆にも高級品から手頃なものまでありますが、日本画筆の方が全体的に手に取りやすい価格帯のものが多いと感じる方もいるでしょう。
その理由のひとつは、素材の違いにあります。
洋筆に使用される毛の代表格「コリンスキー」は、高級なイタチ科の毛で、その希少性と品質から価格が高くなる傾向があります。一方、日本画筆は、山羊、タヌキ、馬などの毛が主に使われ、これらは比較的入手が容易です。また、洋筆は海外製品が多く、輸入コストも価格に影響します。
さらに、洋筆は世界的な市場で流通しており、特にプロのアーティストからの需要が高い高級ブランドも多く存在します。
一方、日本画筆は主に国内市場向け。質の良い製品が手軽な価格で手に入るのも、日本国内の職人技術と市場の恩恵かもしれません。
◆なぜ日本画の筆は洋筆よりも使いやすい?
水彩画で日本画筆を選ぶ理由のひとつが、その「使いやすさ」です。日本画筆には彩色、隈取、削用、面相、長軸など様々な
形がありますが、どれも繊細な筆さばきに応えてくれる設計がされています。
たとえば、羊や山羊の毛は、コシがありすぎず柔らかすぎず、思うがままの筆運びが可能です。それに比べて、コリンスキー
を使った洋筆は、しっかりとしたコシが特徴で、力強いストロークには向いていますが、繊細な感覚を表現するには少し硬さ
を感じることがあります。
また、日本人の美意識や感性、そして真面目なモノづくりの伝統が、日本画筆の性能にしっかりと反映されています。
日本人の繊細な感覚で水彩画を描くなら、日本画筆のほうが手になじみやすいと感じる方も多いでしょう。
洋筆にも素晴らしいものがたくさんありますが、日本画筆には水彩画でも光る魅力が詰まっています。道具選びに迷ったら、
日本画筆に手を伸ばしてみるのも良いかもしれません。もしかすると、新しい描き心地や表現の可能性に出会えるかもしれ
ませんよ。ぜひ、自分に合った筆を見つけて、水彩画をもっと楽しんでみてくださいね!
ぼかしに最適な筆は?
水彩画で「ぼかし」は絵に柔らかさや深みを加える大切な技法です。このコラムでは、ぼかしをスムーズに
仕上げるための筆選びについて、解説します。
ぼかしにはアクリル製の筆をおすすめします。
その理由は、アクリル筆が天然毛の筆に比べて「水の含み」が少ないことにあります。この特徴のおかげで、ぼかし
の途中で筆から余計な水が画面に流れ出す心配がなくなります。結果として、水ムラを避けることができ、滑らかな
グラデーションが作りやすくなるのです。
また、アクリル筆は天然毛よりも硬めで弾力があります。この弾力がぼかし作業を助け、筆を軽く押し当てながら
色をなじませる動作がやりやすくなります。特に、繰り返し「ゴシゴシ」する動きが負担にならない点は、
アクリル筆の大きな魅力です。
アクリル用彩色筆 大
ぼかしに適した筆の形状は、「平筆」と「丸筆」の2種類が挙げられます。それぞれに特徴があるので、用途に
合わせて使い分けるのがおすすめです。
平筆:広範囲をぼかしたいときにぴったりです。大きな面積を一気に柔らかく仕上げたい場合に活躍します。
丸筆:より細かい範囲や繊細な部分のぼかしに向いています。ただし、平筆よりも「ゴシゴシ」の作業回数が
多くなるかもしれません。
どちらの筆でもぼかしは可能ですが、平筆は効率的に、丸筆は繊細に仕上げるのが得意です。
美しいグラデーションを作るには、筆を少し「寝せ気味」に使うのがポイントです。筆を立てて使うと、
色のの境界(エッジ)が出やすくなります。
また、ぼかしの際は画面の水分量も大切です。先に述べましたが、水分が多いと筆から水が画面に流れ出て
ムラを作る原因になります。
細筆を上手く使い分ける
2色でシャレた色を作る
元の色からは想像できないような絵の具2色を混ぜ、意外な色・
おしゃれな色を作ります。
混ぜる割合によって、色調や明るさを調節することがでます。
ほんとうにワクワクします。
※詳細をnoteでご紹介しています。