水彩教室のこぼれ話
水彩教室での日常の中から、心がほっこり温まる出来事や、
思わず微笑んでしまうエピソードをお届けします。
講師である僕と生徒さんとの何気ない会話や、時に生徒さん同士が
励まし合う素敵などが、教室の温かさを作り出しているのだと実感します。
魅力あふれる生徒さんたちの作品や、水彩画を楽しむ制作風景の写真も掲載しています。
その一つ一つが、描くことの楽しさや、一緒にアートを共有する喜びを教えてくれます。
このページが、絵を描くことへの意欲や、仲間との交流の
大切さを感じるきっかけになれば嬉しいです。
このテーマで描いた僕の作品はこちらです。
水彩教室 での思わぬ収穫
今週は横浜や藤沢の水彩教室で「雪の街灯を描く」をテーマで皆さんに描いていただきました。
ポイントは「街灯の明かりをほわッと柔らかく描くことや、雪の表現はくっきりではなく、少しぼんやりさせて描くことです」と皆さんにお伝えして作業を始めていただきました。
でも何よりも大切なことは、楽しさを感じながら描くことです。完璧な仕上がりを目指すこともよりも、描く過程その
ものを楽しむことで、自然とその楽しさが絵に表れます。
しかしそうした願いや心配をよそに、素敵な作品を描いている方が大勢いました。
その理由をここ1週間考えていました。自分なりに出た答えは、「雪の中の街灯」という課題は、皆さんが子供の頃から慣れ親しんだクリスマスの定番的な光景であり、皆さんが絵面をイメージしやすかったのではないでしょうか。そして心地良く映像を思い浮かべたり、ワクワクする気持ちが、皆さんの筆を進ませる要因になったのではないかと、考えています。
描き方やテクニックよりも、その時の描き手の気持ちが いかに大切であるかを改めて感じることができた1週間でした。
2025,12/13
さりげない緻密さが魅力
藤沢の生徒さんがフランスのカフェの風景を題材にした素敵な水彩画を描いてきてくれました。先日の11月24日の講座の課題でしたが、デッサンに時間がかかる上に細部の表現が求められる難しい内容でした。しかし見事に仕上げていただきました。
この作品を拡大して見ると、扉や観葉植物の細部がさりげなく緻密に描かれていることに気づきます。それでいて、水彩画
特有の軽やかさは失われておらず、透明水彩らしい魅惑的な
作品です。
さらに印象的なのは、画面右側に描かれた女性の笑顔です。
顔のデッサンがとても丁寧で、その表情に爽やかさが漂い、
見る者の心を和ませてくれます。
この作品を拝見して感じたことは、絵には「見せ場」があり、その部分を丁寧に描くことで、作品全体が引き締まり、自然と魅力的になるということです。細部への配慮と
全体の調和がこの作品を特別なものにしていると感じました。
2024年12月8日
生徒さんの創造力
茅ヶ崎の教室で、生徒さんの一人が素敵な水彩画を描いてきてくれました。クリスマスツリーの周りに色とりどりのプレゼントが配置された水彩画。それに集まる子供たちの表情がまた愛らしいのです。
その生徒さんによると、かつて僕が描いたツリーのイラストをヒントにしてアレンジされたそうですが、何とも光栄なことではありませんか。
それにしても可愛らしく、どこかホッとするような素敵な作品で、帰宅したら是非このページにアップしたいと思っていました。
生徒さんの創造力と感性に乾杯🍷です。
2024年12月4日
長いお付き合いの受講生 Naさんの作品。
花の構成と背景の配色が素晴らしいです。
授業中に鉛筆デッサンをしました。⇒
もし参加者が多かったら、ここまで
描けなかったかも・・。
※デッサン後僅かに着彩しています。
この後の様子は「制作プロセス」で
クリスマスローズを描きました
クリスマスローズは1月以降に開花するものが多いですが、幸運にも大船の花屋で売っていたので、早速購入して、29日の講座(横浜・石川町)に備えました。
意気揚々と5鉢も抱えて講座会場へ。ですが、教室の扉を開けると、参加者はなんと2人だけ!
「え、5鉢に対して2人?」というツッコミが頭をよぎりつつも、考えようによっては贅沢な環境。
「人数少ない方がじっくり描けるからラッキーだよね!」とポジティブ思考を発揮しました。
結果、2人の生徒さんも満足げな表情で、僕自身もデッサンをじっくりと描けました。
5鉢分のクリスマスローズに囲まれながら描く贅沢なひとときは、なかなか味わえないものですね。
次回はもう少し大勢来てくれることを願いつつ、今回の成功に乾杯!
2024,11/29
水彩教室の存在意義
僕が水彩画教室の講師を始めたのは2003年の3月でした。
始めた当初は 生徒さんに技法に関することばかり伝えていました。
ところが時が経つにつれてその考えが少しずつ変化していきました。
勿論水彩画を上手に描くことは大切ですが、それだけでは物足りない、
味気ないと感じるようになったのです。
教室は生徒さんに提供する大切な環境であり、また生徒さん同士が交流
を深める掛け替えのない機会である、とういう考えが日を追うごとに
強くなって行きました。ここで言う環境とは、生徒さんが水彩画を描くことに専念でき、且つ明るい雰囲気でキレイな場所
ということです。ご自宅では生活するために様々なことに追われて、描くことになかなか集中できないという方は意外に
多く、自宅では水彩画を一切描かないという方もいるぐらいです。
また 教室は生徒さん同士が親交を深めるための数少ない機会で、親しくなった方たち同士でお茶を飲んだり、中には
一緒に旅行に出かけたという話も時々耳にします。
こうした彼らの姿を見ることが、僕にとっても大きな喜びだということを最後にお伝えして この記事を終わりとします。
その他の生徒さんの作品です⇩
個人レッスンのメリット
個人レッスンとは、相手の自宅や公共の部屋を借りて行う少数制の(1~4人)の授業で、いわば水彩画の家庭教師のようなものです。
実は2024,11/5に レッスンがあったばかりで、丁度よい機会
なのでお話したいと思います。
レッスンの当日には必ずその生徒さんの水彩画を持参してくださるように
お願いしています。そうすることで、その生徒さんが水彩に対しどのような悩みをかかえているかが分かるからです。
塗り方や技法についてお悩みなのか、形取りやデッサンに苦心されているのか、持参いただいた絵を拝見することで、
どうアドバイスしたら良いかが見えてきます。そのお陰でどんなレッスンにするか、どんな教材を揃えたら良いか、
迷うことなく決めることが出来ています。また適格な水彩画道具を使われているか否かも同時に拝見していますが、
これも内容を判断する上でとても役に立っています。
受講する生徒さんは1人のことが多いので、周りの人たちに気を使うことなく率直にお話できるのも利点の一つです。
そして生徒さん自身も教材やアドバイスを独占できることは言うまでもありません。
僕が生徒さんに望むこと
生徒さんに望むことはそれはたった1つ!・・、と言ったらウソになるかも知れませんが、
「水彩画を描くことが憩いのひと時であってほしい」のです。
先日ある生徒さんがこんなこと仰っていました。
「水彩画を描くことが少しストレスになっている」と・・。
ちょっとだけ残念でしたが、そのお気持ちもよく分かりました。僕自身もストレスになることが正直なところあります。
常に楽しい訳では決してなく、制作の半分近くは重荷に感じたり、面倒だったり、もろもろの思いを抱いています。でも逆に言えば楽しい割合が半分もあるのだから、喜ばなくてはいけいけないかもしれません。
ところで「憩いのひと時」にするにはどうしたら良いかですが、僕自身が実行していることを一つご紹介します。それは「水彩画を描く」=「憩いのひと時」ということを自分の脳に教え込むことです。
教え込むと言っても難しいことではありません。水彩画を描く時には紅茶やコーヒーなどを必ず用意するだけです。
つまり水彩画を描く時間と お茶を飲む時間(帯)を完全に一致させるのです。そしてお茶を入れる時から既に水彩画制作が始まっている、ここからがブレイクタイムの始まり、そう頭の中で呟きます。
これを数回繰り返すだけで、脳は騙されます(笑) どうぞお試しあれ。